2025年も残すところあとわずかとなった12月17日。
寒冷な空気が身を引き締めるなか、藤枝市の静岡県武道館にて、静岡県広域スポーツセンター主催の「マネジメントセミナーおよび指導者講習会・研修会」が開催されました。

現在、日本全体で進められている「部活動の地域展開(地域移行)」。
この大きな転換期において、私たち総合型地域スポーツクラブがどのような役割を果たし、いかにして子どもたちに豊かなスポーツ環境を提供できるのか。
今回のセミナーは、その羅針盤となる非常に濃密な時間となりました。
本日は、一般社団法人みんなのASOBIが参加、そして一部登壇させていただいた本セミナーの内容を詳しくご報告いたします。
- 静岡県の部活動地域展開の「今」と、指導者が守るべき倫理
- 実技体験:遊びのなかに「運動の土台」を創る『バルシューレ』
- マネジメントセミナー:総合型地域スポーツクラブを知ってもらうためには?!
- 所見:未来への責任と、非営利法人としての使命
静岡県の部活動地域展開の「今」と、指導者が守るべき倫理
最初のプログラムは、静岡県教育委員会健康体育課による指導者講習会です。テーマは「静岡県の部活動地域展開の現状と、部活動指導における留意点」。

現在、学校単位で運営されてきた部活動は、少子化や教員の働き方改革といった背景を受け、地域のクラブチームや団体へとその受け皿が移りつつあります。
講習会では、県内の具体的な進捗状況が共有されるとともに、地域団体が指導を担うにあたって絶対に避けては通れない「ハラスメント防止」について強い警鐘が鳴らされました。
勝利至上主義に陥ることなく、子どもたちの心身の安全を第一に考えること。
私たち地域指導者は、単に技術を教える存在ではなく、子どもたちが社会性を育む場を預かる責任者であるということを再認識しました。
実技体験:遊びのなかに「運動の土台」を創る『バルシューレ』
続いて行われた指導者研修では、雰囲気が一変。
NPO法人JUNSHIN SPORTS CLUBの渡辺亜紀氏と杉山祐香氏を講師に迎え、ドイツ生まれのボール遊びプログラム『バルシューレ(Ballschule)』の実技体験が行われました。

バルシューレは、特定の競技を教え込むのではなく、遊びを通してボールに対する感覚や身のこなし、さらには協調性や創造力を育むプログラム。
さらに面白いのは、ボールを使わなくても、いろんなアイテムを組み合わせることでも同じ効果が得られること。子どもの発育状況に応じて柔軟に対応できる点は、プログラムの幅の広さを実感しました。

また「どんなスポーツにも活かせる運動の土台を作る」というその理念は、私たち「みんなのASOBI」が大切にしている「スポーツの根源はアソビである」という考え方と深く共鳴するものでした。

実際に身体を動かしてみると、参加した指導者たちからも自然と笑顔がこぼれます。「楽しい」という感情が、いかに運動能力や知的なひらめきを引き出すか。指導者自身がその本質を体感する貴重な機会となりました。
マネジメントセミナー:総合型地域スポーツクラブを知ってもらうためには?!
その後実施されたマネジメントセミナーにおいて、「クラブ紹介の充実を図るための取組」というテーマで、私たち「みんなのASOBI」が登壇させていただきました。
本セミナー内では、私たちがこれまで歩んできた道のりとともに、特にこだわってきた「情報発信のブランディング」を前半でお話しさせていただき、後半では静岡県広域スポーツセンターから毎年発行されている「総合型地域スポーツクラブ情報誌」をより魅力的にし、住民の方々に活用してもらうための具体的な改善案も提案させていただきました。

前半の「情報発信のブランディング」では、主に3つについてお伝えしました。
- Instagramのアカウント作成のコツとこだわり
- HPの役割とこだわり
- 手に取った瞬間に想いが伝わる名刺の工夫
これらは単なる広報活動ではなく、クラブの哲学を地域の方々に正しく届けるための大切なコミュニケーションです。
私たちは、引き続き自分たちの強みを活かした情報発信に務め、総合型地域スポーツクラブをより広く知ってもらう取り組みを行なっていきます。
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所見:未来への責任と、非営利法人としての使命
今回のセミナーを通じて強く感じたのは、「子どもたちのスポーツ環境が今、劇的に変わろうとしている」という現実です。
それは、中学校の部活動問題も然り、幼少期の子どもたちが自由に遊べる環境がないことで運動能力の低下が顕著なことまで、スポーツ業界は大きな変化を迫られているのだと実感しました。
これらの課題があるなか、私たち総合型地域スポーツクラブが果たすべき役割は、単なる「場所の提供」に留まりません。子どもたちが安心して、夢中になって身体を動かせる居場所をいかに持続可能な形で守り抜くか。その重責を、講義と実技の両面から改めて肌で感じることができました。
また、私たちの強みである「情報発信」の重要性も再確認しました。どれほど素晴らしい活動をしていても、それが地域に届かなければ存在しないのと同じです。運営課題を広く共有し、県全体のスポーツ環境の質を底上げしていくこと。それもまた、私たちのような非営利法人が果たすべき社会的な役割です。
子どもたち、そして次世代を担う若者たちのために。
「みんなのASOBI」はこれからも、スポーツという枠組みを超え、遊びと学びが融合した豊かな地域社会を目指して邁進してまいります。
当日ご指導いただいた講師の皆さま、主催の静岡県広域スポーツセンターの皆さま、そして共に学んだ参加者の皆さまに、この場を借りて深く感謝申し上げます。