【ドイツ特派員レポート】最終回(前編):異国で気持ちが沈んでしまった私を立ち上がらせたスポーツの力


皆さんこんにちは!約1年間のドイツ留学が終わり、先日、日本に帰国しました。

今回の留学を振り返って、総集編としてレポートしたいと思います。

ドイツ特派員:入野愛(いりのあい)

中学・高校とバドミントン一筋で部活をしてきましたが、大学を機に様々なスポーツに触れることの楽しさを知り、異なる年齢の人と多種多様なスポーツをする総合型地域スポーツクラブに魅了される。

日本で取り上げられる総合型地域スポーツクラブは、ほとんどの場合でドイツのスポーツクラブがモデルとなっているため、ドイツの総合型地域スポーツクラブと、大学の専攻である英語教育を学ぶために、約10ヶ月間ドイツに留学している。

留学中に、ドイツのスポーツクラブやドイツ文化を調査し、それを「ドイツ特派員レポート」として、ドイツ社会に根付いている総合型地域スポーツクラブの実状とドイツ文化を1週間に1回のペースで配信中。

 

 

今、ドイツでの留学生活を振り返ると、本当に「想像もしていなかったことの連続」だったと思います。普段の生活ではなかなか経験できないことばかりで、喜びも苦労も全部ひっくるめて、忘れられない日々になりました。

最初の壁――言葉と文化

留学当初は、言葉の壁と価値観の違いにとにかく戸惑いました。授業で先生の言葉を追いかけるのに必死になり、買い物や役所の手続きでも思うように伝わらず…。心細さと不安で、気づけばいつも表情が暗くなっていた気がします(笑)。

 

(ドイツ到着)


それでも大学で授業が始まり、スポーツクラブのトライアル期間に参加するようになると、少しずつ気持ちもほぐれていきました。バドミントン、バレーボール、ダンスなど、片っ端から挑戦!

 

(ユニスポーツトライアル)

新しい環境でのストレスを発散するかのように動き回る日々でした。その中で出会った仲間とは今でもつながりがあり、改めて「挑戦してよかった」と思います。

冬の落とし穴

順調に慣れてきたと思っていた矢先、11月の冬に思わぬ落とし穴が待っていました。

寒さと日照不足で気分が落ち込み、軽い冬季うつのようになってしまったのです。ホームシックも重なり、「今すぐ帰りたい」と本気で思う日々…。

正直、あの頃が留学中いちばんつらかった瞬間でした。

 

(ドイツの冬)

救いとなった“スポーツ観戦”

そんな時、友人に誘われて行ったブンデスリーガの試合が、すべてを変えました。

レバークーゼンVSマインツ05の試合。平日の夜だというのにスタジアムは満員!老若男女が一体となってチームを応援する光景に鳥肌が立ちました。

 

 

(レバークーゼン観戦)


暗い気持ちが一気に晴れ、久しぶりに「心から楽しい」と感じられた瞬間でした。
それをきっかけに、ドルトムントやデュッセルドルフなど、行ける限りサッカー観戦に足を運ぶようになりました。

観戦という形でスポーツと再びつながり、元気を取り戻すことができたのです。

 

(ドルトムント)

 

(フォルタナデュッセルドルフ)

さらに日本人会のフットサルクラブにも顔を出し、実際にプレーする機会にも恵まれました。スポーツを通じて人と出会い、笑顔を取り戻していく――留学生活の転機は、まさにここから始まった気がします。

バドミントンへの再挑戦

少しずつ気持ちが回復してきたころ、Yonex German Open 2025を観戦しました。日本人選手が多く出場しており、外国の会場で「日本」を背負って戦う姿に胸を打たれました。

私はもともと日本でバドミントンをしていたこともあり、「もう一度本格的にやりたい!」という気持ちがむくむくと湧いてきました。そこから、ヴッパタールのスポーツクラブ巡りが始まったのです。

 


次回の後編では、実際に参加したクラブでの出来事や、ドイツでの大会出場、そしてスポーツを通じて得られたかけがえのない仲間との出会いについて書きたいと思います。

 

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